「アミノ酸と筋肉」
「アミノ酸と筋肉」
アミノ酸は筋肉の主成分であるたんぱく質を構成しており、アスリートとって重要な栄養素です。摂取してから30分で体内に吸収されるという大きなメリットもあります。私たちの体には約10万種類のたんぱく質があると言われていますが、その10万種類のたんぱく質を構成しているのはたった20種類のアミノ酸です。このアミノ酸にはそれぞれ得意分野があり、体内では合成できない必須アミノ酸を中心にバランス良くいろいろな種類を摂取することが大切です。今回はその中でも筋肉に欠かせないアミノ酸についてお話します。
まず、筋肉には「ロイシン・イソロイシン・バリン」のいわゆる「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」と呼ばれる成分が重要になってきます。BCAAはアクチンとミオシンという筋肉のたんぱく質を構成している必須アミノ酸で、筋力アップには欠かせない栄養素です。運動前の摂取でスタミナの保持と筋肉疲労の軽減、運動後の摂取では損傷した筋肉の早期回復や筋肉痛の軽減が可能です。翌日に疲れを残さないためにも運動の前後には意識して摂りたいですね。
また、BCAAと併せて運動に役立つアミノ酸として「アルギニン」と「グルタミン」があります。アルギニンは成長ホルモンの分泌を促進し体の修復や筋肉増強に一役買ってくれます。グルタミンはBCAAと同じように筋肉に多く存在する成分でたんぱく質の合成を促進します。したがってこの5つのアミノ酸をしっかりと摂取することが筋力アップへと繋がります。この他にも疲労した脳を活性化させる「トリプトファン」、睡眠の質を上げて疲れを感じにくくさせる「グリシン」など、運動後の疲労回復に役立つアミノ酸がたくさんあります。
では、アミノ酸を多く摂取するためにはどんな物を食べたら良いのでしょうか。良質のたんぱく質を含有する食品の指標として「アミノ酸スコア」があります。アミノ酸スコアが100点の食品ほど必須アミノ酸をバランスよく含有していますので、積極的に摂取してください。ただし、良質のたんぱく質はどうしても動物性食品に多く、過剰に摂取すると余計な脂質やカロリーを摂ってしまい、体脂肪増加や内臓疲労にも繋がります。
以下にアミノ酸スコアの一例を挙げますので、動物性食品と植物性食品をうまく取り混ぜて食べるようにしてください。
アミノ酸スコアの一例 | |
100点 | 鶏卵・豚肉・鶏肉・牛肉・牛乳・鰯・鯵・鮭・鰹・ツナ |
90点 | 豆腐・枝豆・おから・チーズ・そば・しじみ・さんま |
80点 | 大豆・豆乳・あさり・昆布・さつまいも・ブロッコリー |
70点 | 油揚げ・とうもろこし・しいたけ・にら・いか・えび |
60点 | 精白米・玄米・きゅうり・じゃがいも・かぼちゃ・豆類・栗 |
50点 | 落花生・アーモンド・ごま・ほうれん草・にんじん |
