夏場の水分補給のポイント
ここ数年、気温が上昇する時期が早くなり、5月でも夏日を観測するようになりました。まだ身体が暑さに慣れていないこの季節、なんとなく体調がすぐれないことはありませんか?今回は本格的な夏がやってくる前に大切な水分補給のお話です。

私たちの身体の60%は水分でできていて、そのうち3分の2が細胞の中、3分の1が細胞の外に存在しています。気温が上昇して汗をかくと、体液と水分の量が減少して体内の熱を放散できなくなります。水分の減少が身体に及ぼす影響は以下の通りです。
- 1%の減少:運動能力の低下
- 2%の減少:喉の渇きを感じる
- 4~5%の減少:めまい・疲労感・頭痛・脱水
- 10%の減少:最悪の場合、死に至る
このような理由から特に夏場は水分補給が重要になってくる訳ですが、どんな飲み物を選ぶかによって運動時のパフォーマンスに大きく影響が出てきます。身体の中の水分はナトリウムと大きく関係しています。体内のナトリウム濃度は一定に保たれており、生命の維持に大きく関与しています。運動をしてたくさん汗をかくと、水分だけではなくナトリウムも失うことになります。この時に水だけを飲むと体内のナトリウム濃度が薄くなってしまうため、私たちの身体はナトリウム濃度を維持しようと水分だけを排出してしまい、逆に水分不足になってしまいます。したがって、大量に汗をかいた時にはナトリウムの摂取が必要になってきます。それではどんな水分を補給したら良いのでしょうか?
市販のスポーツドリンクにはナトリウム以外にもカリウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれているため、水に比べて吸収率が良くなっていますが、飲みやすくするためにたくさんの糖分が添加されているので血糖値の乱高下を招き、バテやすくカロリーオーバーにもなります。スポーツドリンクの場合は水で2倍に薄めたものに海塩ひとつまみとレモンひと絞り、それにハチミツを添加すると糖分が控えられ、体液よりも薄い濃度で身体への吸収が良くなります。ハチミツは血糖値の上昇が緩やかなので運動時に適しています。ミネラル麦茶と梅干の組み合わせでも大丈夫ですよ。塩のタブレットや海塩を舐めるのもオススメです。
サッカーのような炎天下で走るスポーツは、競技前に250~500ml、競技中には500~1000mlを目安に水分摂取するように心がけてください。運動前からこまめに飲んで体内に水分を溜め込んでおくことがポイントです。熱中症対策をしたい時には5~15℃の水分を補給するとベストです。
私たちは寝ている間にも汗をかき、気付かないうちに脱水になっていることもあります。これからの季節、水分とミネラルのバランスを保ちながら、喉が渇いたと感じる前に水分補給をしっかりとするよう心がけてくださいね。
