高校サッカー・進路
進路とは字のごとく、進んでいく道。
君が歩んでいく道、将来の方向性。 将来の行き先なんて、誰にもわかるものではない。
まさに道なる未知こそが人生。
経験を重ねてわかったことがある。
人は、数年後、数十年後に気づくことが多い。
人は、魂が磨かれていけばいくほど、沢山の気づきを得られるようになる。
掃除ひとつとってもそうだ。
毎日掃除をしていると、掃除をしない人は気づけないゴミに気づける。
読書もそうだ。
2回目、3回目、5年後、10年後と読み直すと、同じ本とは思えない感動と気づきが得られる。
2010年ワールドカップ決勝スペイン対オランダ戦を何度観ても毎回新たな気づきが得られる。
しかしながら、どんなにご高名や実績のあった方でも魂を磨く事を止めてしまえば、新たな気づきを得る事はできないと思っている。
人生という進路は、魂を磨き続ける事だと思っている。
昔は気づくことができたのに、今は気づくことができなくなってしまった方がいる。
魂を磨く事を休んでしまった「裸の偉い人」が沢山いる。
そのような「裸の偉い人」は、指し示し導く立場から身を引く必要があると思っている。
中田英寿さんが先日テレビで語っていた。
10代の頃はどうしたら上手い選手達からレギュラーを奪えるか、執着心を持って挑戦してきたそうだ。
気がつけば代表でもチームの中心となる立場になって、挑戦よりも守る気持ちが増えた事が引退理由の一つとして語っていた。
29歳で引退した人生観はトップアスリートの生き様なのだろう。
かたや、世界最年長のプロサッカー選手の三浦知良さんや、先日3000本安打を達成したマリナーズのイチローさんは20年、30年以上にわたり第一線で挑戦し続けている。
その姿は、魂を磨き続けるトップアスリートの本質であり、芸術家や哲学者に相通ずるオーラを感じる。
シンプルに人々の魂までも揺さぶり続け、多くの人々にエネルギーを与え続けている。
毎年の事だが、この時期は進路の事で親も子どもも悩み迷う時期である。
自分の子どもを育てた今になって気づいたことが沢山あるし、当時の20代、30代の自分では、気づけなかった事ばかりだ。
親もまた経験、体験の中から学び成長していくのだ。
学校の進路指導の先生は、成績で進路をアドバイスしてくれるであろう。
そして君は「この成績だったら何処へ行けますか」と相談するのであろう。
そんなのは本当の進路相談ではない。
スマホアプリにデータ入力して答えは出る。
まずは、君がやりたいこと、行きたい所がなくては進路相談にならないと思う。
何を学びたいのか、その先で何をしたいのか、そして、今は実力が足りなくても、進みたい進路は簡単に諦めるべきではないし、実現させる方法や手段を先生と一緒に考えることが本当の進路相談だ。
サッカー関係に進みたいのなら、信頼できるサッカー関係の方に相談をするべきだと思う。
道を尋ねるのに、その道を知らない人のアドバイスはスマホアプリの方が頼りになってしまう。
エベレストに登るのであれば経験豊富なエキスパートに頼ると思う。
尋ねる人は、その道に精通している経験者に尋ねるのが一番である。
一番大切なことは、自分が好きなこと、自分がやりたいなと感じている場所へ向かっているかどうかだ。
プロ選手を目指すのであれば、恐れずに言えば学校の学力レベルは関係ない。
難関大学に入れる学力があっても、プロ選手を沢山輩出しているサッカー強豪大学を選択するだろう。
三浦知良さんや中田英寿さんをはじめ、現日本代表の本田圭佑さん、香川真司さん等も大学には進学していない。
そのことも考えて欲しい。
料理人を目指すのであれば、専門学校や、料理店に修行に行ったほうがよい。
「とりあえず、入れる大学に行っとく」だけは、勘弁して欲しい。
勉強もせず遊んでいる大学生活。
親から高い授業料や下宿代を払ってもらえる事は、一見しあわせに映るが、そうではない。
毎日運動もせず、高カロリーの贅沢な食事を朝から晩まで365日、親からご馳走し続けて貰っている事と変わらない。
今はラッキーと思っていることが、将来に大きなリスクとなるであろう。
何も目指すものがないのなら、卒業後は働くのが良いと思う。
社会に出て、お金や労働の大切さに触れ、世代や思考の異なる人々から刺激を受けることで早いうちから気づきを学ぶ事ができる。
その中から、進むべきものが見えてくると思う。
確信を持っていえる事がある。
魂を磨きつづければ、どの方向に進んでも問題ない。
魂を磨く事は特別な修行に出向くことでもない。
人との出会いを大切にすること。
信頼される人になること。
なにごとにも感謝できる心を持つこと。
誠実に生きることができるかどうかです。
経験が浅ければ、失敗の連続だし、気づけない事ばかりです。
今、やれることを精一杯やる。
誠意を尽くす。
失敗したら、心から謝り、次に活かす。
それに尽きます。
高校生のみなさん。
安易な選択だけはやめましょう。
何をしてよいかわからない。
不安が沢山ある。
それが当たり前です。
あなたが真剣に自分の進路を考えている証拠です。
みんなそうやって、少しずつ成長していくのです。
だからこそ、おおいに悩んで欲しい。おおいに考えて欲しい。
その時間が大切なのです。
時間が無いと思わないでください。
若い時こそ、社会的責任の薄い今だからこそ、自分のために沢山の時間を使えるのです。
自分の正直な気持ちを親や信頼できる先生や友達に打ち明けなさい。
勇気を出して自分の殻を突き破ってください。 進路への第一歩を踏み出してください。
小さなことに全力で取り組むことを忘れるな 小さなことを一つやり遂げるたびに人間は成長する 小さなことをきちんとこなしていけば大きいことは後からついてくる 。
デール・カーネギー Dale Breckenridge Carnegie
