山梨県 トピックス 高校サッカー・PLAYERS FIRST!

高校サッカー・PLAYERS FIRST!

選手育成を考える場合、絶対に忘れてはならない重要な言葉があります。

それは「Players First!」、すなわち「プレーヤーを第一に考える」です。

日々いろいろな次元で何かを判断する場合、あるいは改革等で困難なチャレンジが生じる場合、そのときに必ず立ち返るべき言葉です。いろいろな問題や困難はあるかもしれません。しかし、子どもたちにとって何が一番良いのか、という基準で物事を考えて、乗り越えていきたいものです。

つねに立ち返るべき合言葉  ”Players First!”

国内の「勝った」「負けた」ではなく、常に世界をスタンダードに。 ゲームは子どもたちの育成に大きな影響を与えます。 関わるさまざまな分野の大人の連携により、一人ひとりの子どもたちに最も適したゲーム環境を追求していくことが重要です。

育成年代のサッカー環境に関わる大人、すなわち指導者、審判、大会の形式、保護者・サポーターが力を合わせて、さまざまな困難にも、 子どもたちにとって何が一番良いのか、という観点で判断し、解決に向けて努力していきたいと考えます。

 

——————-上記 JFA 選手育成より抜粋しました。——————-

 

多くのコーチの口から出る言葉に「プレイヤーズファースト」があります。
「プレーヤーを第一に考えている」みなさんそう言います。

JFAが提唱しているからだけで、軽々しく言っていないでしょうか?
ゲームに勝つ歯車として、子どもを支配していないでしょうか?
本当にその子どもを育てたいと思っているでしょうか?
どのように育てようとイメージしているのでしょうか?
何年間その選手と関わるつもりでいるのでしょうか?
子どものこれまでの人生環境をどれだけ把握しているのでしょうか?

「プレーヤーを第一に考えている」とは、
「子どもの将来を第一に考えている」と言っても過言ではありません。

プレーヤーはまだ大人ではありません。 心も身体も頭も、日々成長中のノビシロが著しい子どもです。
サッカー以外の様々な刺激や経験が必要な子どもです。
先生やコーチ、お父さんお母さんを含めた周囲の大人達の影響を受けやすい多感な子どもです。

子どもの事を考えると言うことは、その子の数年後、大袈裟に言えば人生までも少なからずイメージできないと「プレーヤーを第一に考えている」と、安易に言ってはならないと私は考えています。

技術の高い選手は強いチームでやることも必要かもしれません。
しかしながら育成年代においては、技術以外にもこのタイミングでどうしても学ばなくてはならない事が沢山あります。強いチームでやることだけが必ずしもベストの選択ではないということです。

技術の高い選手が、精神が安定していたり、身体能力が高いとは限りません。
もしかしたら、早熟ゆえに、実際はそんなに技術も高くないのかもしれません。

大人であれば、筋力でボールを蹴ろうが、走力で競り勝とうが、背が高いだけでも、今、ゲームで勝つ為に必要な選手を評価すれば良いでしょう。

育成年代における評価とは、プレーヤーを第一に考えているとは、将来を評価して育てているかが問われると思います。 奥深く選手を見極めて行く事が育成年代の指導者には備わっていないとなりません。

JFA日本代表選手データを観ると見えてきます。
日本代表の選手達は様々な高校やユース出身者です。
Jクラブ下部組織出身者で占められているわけではありません。

街クラブや中学部活やスポーツ少年団出身者が多数を占めています。
J下部組織のセレクションに合格しても、しなくても、夢を叶える確率は本人次第と言うことです。

育成年代において重要な事は、
精神(モチベーション)、技術(創造力)、身体(健全)です。
この3つは、J下部だろうが、部活だろうが、街クラブだろうが、クラブの強弱に関係なく育めます。

一番大切なことは、そのクラブが本当に「プレイヤーズファースト」即ち選手の育成に力を注いでいるクラブであるかどうかです。

そしてお子様を直接指導している指導者(先生)が熱を持って精神(モチベーション)、技術(創造力)、身体(健全)を育てようとしているかです。

ジュニア時代、沢山の指導者の方々、多くのお父さんコーチの皆さんが、我が子のように、大切に選手を育てています。 有名選手の多くの原点はここから芽が出ています。
スポーツ少年団や地方の弱小チームの中から素晴らしい選手が1人、2人と育っています。

 

「子どもたちにとって何が一番良いのか」、「良い環境」とは何か。 精神(モチベーション)、技術(創造力)、身体(健全)の心技体の全てがバランスよく育まれていく環境だと思います。
良い環境(土壌)を作るには時間と労力がかかります。 それに加え、試行錯誤と情熱が必要です。
そこには間違いなく良い果実が生まれます。

世界最高と言われるボルドーワイン。
その中でも最高の格付け評価のあるシャトーペトリュスの産地であるボムロール。 さらにボムロールのリブルヌ村の760haのワインは希少価値で取引されています。 リブルヌ村の人口はわずか23.000人だそうです。

日本という小さな島国から世界最高基準の環境(土壌)を作り出す為にも、プレイヤーズファーストの意味を大人の皆さんが再度考える機会になれば幸いです。

人は、生まれた瞬間はほとんど同じ。だが、育つ環境と受ける教育で大きな違いが生ずる。教育は、受ける側の問題ではなく、潜在能力を引き出せるかどうかという、教える側の問題である。中村天風

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Players First! とは、 子ども達が夢に向かって、楽しく階段を一歩一歩、自力で登って行く事を見守る事だと思います。

田畑雅宏

田畑雅宏(52 歳)

1988 年「小淵沢サッカースポーツ少年団」設立と共に監督となり 2002 年迄監督を務める現北杜市にサッカー部がない中学校も数校あった事から同年に峡北地域初のクラブチーム「FC 八ヶ岳」を設立しジュニアユースの育成に力を入れはじめる。2005 年には北杜市のスポーツ文化向上を目指し NPO特定非営利活動法人「八ヶ岳北杜グランデフットボールクラブ」を設立する。現在はヴァンフォーレ甲府と提携し「ヴァンフォーレ八ヶ岳」と名称変更し山梨県のスポーツ文化発展と U12,U15 の育成活動を行っている。

著者のブログ

2005 年からサッカーだけを書き続けている熱いサッカーブログは親と指導者必見です。

「フットボール症候群」

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