高校サッカー・合わせる技術
サッカー女子日本代表はリオデジャネイロオリンピックに出場することができませんでした。
フットサル日本代表もワールドカップ出場を逃しました。
共に連続出場を続けていただけに、両大会での選手達の活躍を応援することを当たり前のように思っていました。
勝負の世界の厳しさ、勝者と敗者は常に表裏一体の鉄則を改めて思い知らされた瞬間でした。
そんな中、大儀見優季さんから先日メッセージをいただきました。
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今回、リオへの道は断たれましたが、2020年への大きな前ふりと思い、また軌道修正をして焦らずじっくり前に進んで行きたいと思います。地味に地道に、自分の信じた正しい道を。
DENさんに是非読んでほしくて、本を送らせて頂きました。 さらに、早速読んで頂き本当にありがとうございます! 嬉しい感想も頂き、少しでもお役に立てたかと思うととても幸せです。
人生上手くいかない事だらけだけど、それが人生の醍醐味で、苦しいと思えること、辛いと思えることは、生きてるって証なのかなと感じます。
これからもより一層精進していきますので、何卒よろしくお願いします!
大儀見優季
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今回の敗退、心中を察します。
私は大儀見優季という一人のアスリートをリスペクトしています。
今後の彼女が、どう進化していくのか興味が募るばかりです。
以下、大儀見優季さんから届いた著書「合わせる技術」の一部抜粋です。
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サッカーでは味方や相手の出方に「合わせる」ことが求められる。
つまり、変えられない状況を嘆くよりも、自分が変わる、自分が合わせる方が結果がでる。
ストライカーほど合わせる技術が求められるポジションであると思えるようになりました。
周りに合わせる以上、常に変化できる状況に自分がいること、対応できる力を身につけていくこと。
サッカー以外の分野で極めている人、プロフェッショナルな人からの学びを育てる勉強会を求めてアンテナを張って積極的に会いに行くように努めています。
ノートにその時々の考えを書いていくと、自分の考えていること、起きている現象が客観的にわかるようになってくる。 文字にして書く事自体が思考を整理するためのアウトプットであり、同時に新たな情報を取り入れるためのインプットになっていく。
味方のプレーの確立を知れば知るほど自身の成功確率は上がっていく。
ミスや失敗は次なる成功へのひとつのデータだと捉えている。
できない悔しさと、できるようになりたい欲求と、できるようになった瞬間は格別。
夢中になったものにとことん夢中になること。それが成長への一番の近道。
知らないことを知らない事として認め、決して背伸びはしない。
常に等身大の自分でいることが成長を後押しする。
常に自分自身への可能性へのチャレンジであり、探究心があれば不可能はないと思っている。
思考は必ず実現する。
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この本は単なるサッカー選手の生い立ち本でもないし、テクニック本でもタレント本でもありません。
本を読んで感じる事が沢山ありました。共鳴したことが沢山ありました。
本を読めば読むほど、沢山のヒントを得ることができました。試したい事が見つかりました。
本物のアスリートやアーティストは、思考し続けるからこそ、創造力が宿るのだとつくづく思いました。
そう考えると、ライフ・イズ・アート「人生そのものが芸術」なんだと思います。
私自身、沢山の不条理に凹みそうな連続で、それでも黙って、自分の道を信じて進んできました。
きっと、誰もが同様に、沢山の障害物を乗り越え、泣いたり笑ったりを繰り返しながら、誰かに助けられながら、自分の道を歩んでいるのだと思います。
高校生の皆さん。
心ない一言で落ち込むときもあると思います。
それでも負けないでください。
人生もサッカーも諦めたら敗退です。
目の前に、障害物は出現し続けます。
主力選手であればあるほど相手選手からのマークも厳しくなります。
スタンドからも野次られることでしょう。
賞賛と罵声は期待度と比例します。
賞賛も罵声もない選手ほど虚しいことはありません。
サッカーも人生もそれがあるから面白いのです。
そのプレッシャーを楽しんだ先に、挑戦の先に、試行錯誤の先に、継続の先に、 勝利の女神の微笑みが見えてくると思います。
才能は誰でも持っている。
自身の特徴を知り、その特徴を極限まで磨き続けられる選手になれ。
才能は誰でも持っている。
自身の社会での役割を知り、プライドを持って生きる大人になれ。
「才能がある人」とは、自分の才能を見つけられた人なのではないでしょうか。
高校生の皆さん。
才能は誰でも持っています。
人生を楽しめる人間になることを願います。
