山梨県 トピックス 高校サッカー・一通の手紙

高校サッカー・一通の手紙

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子供達のことを思うと感極まります。もちろん田畑監督、指導者様のお導きではあります。息子に細かい作法は別として、もう何も言うことはないと思った時期です。

柔軟な発想のもとに、自分の頭で考え、決断し、努力を惜しまない生活を息子に送らせて頂けるような御指導を頂いた田畑監督へのご恩を忘れません。

今週末の活躍を祈念致します。一方で、結果に関わらない田畑監督の御指導にも敬意を禁じ得ません。

引き続き○○ともども御指導宜しくお願い致します。

~省略~

○○は私も好きで、いつもお送りしたかった物です。田畑監督がそういうことで左右されることがないのは承知しておりますが、○○が落ち着くまではと我慢しておりました。

○○年間○○を育てて頂いたことに感謝の言葉がありません。田畑監督にお世話にならなかったら、今の○○はありません。

高校も○○から、○○に変更したのも彼のなかで、サッカーに対する態度の変化かもしれません。

ジュニアの時に辞めないで続けたのも多くの葛藤があったのでしょうが、ジュニアユースでも上手な子達に混じって三年間やる選択をしたのにはびっくりしました。 試合に出させてもらっているにもかかわらず、萎縮し楽しめず逃げるプレーをしていたのを今のスタイルにまで成長させて頂いたのは、私にとってはもはや余録です。

余談ですが、○○には私と同じ○○になって自分を限界に追い込む人生を送って欲しくて、酔ってはそれを口にして嫌な顔をされています(苦笑)

でも、そんな親のエゴを乗り越えて、未踏の域にまで達してくれることを期待させてもらえるようにまで育てて頂きました。○○は苦笑だけではなく、私たち 家族を学ばせて下さりました。この感謝の気持ちは生あるうちは変わることのない、また後々も伝えていくべきものと思っております。

その気持ちのささやかな現れが、あの黄金色の泡であり、それが日々貴重な教育をされている田畑監督の喉を少しでも潤せれば幸いです。

今後とも○○を含めた私たち家族を、お導き頂ければ有難く存じます 。

言葉にすると伝わりきらない気持ちですが、それは日々の自分達の行いで示していきたく思います。ですので、言葉足らずは御容赦下さい。そもそも、田畑監督に感謝を伝えきれる言葉なんてありません。

素晴らしいお仕事をされている魂への限りない尊敬の気持ちと共に。

○○○○


OB保護者さまから数年前に頂き物と一緒に頂いた一通の手紙です。 今では大切な自分の宝物である一通の手紙となりました。

この保護者様からは、お子様をお預かりしていた時は一度も頂き物はありませんでした。 お子様がクラブを離れてから、毎年、毎年、毎年、毎年、そして今年も、 お気遣い頂いた「こころ」が届きました。

実はこの日、今年の3年生最後の公式戦で敗退した日でした。 3年生達が公式戦ユニフォームを永遠に着ることができなくなった日です。

夜の22:00過ぎまで真っ暗なグランド脇で泣き続ける3年生達を全員が帰るまで立ち続けていた日です。 涙は出ませんが、毎回落ち込みます。

もっとこの子達に違ったアプローチの方法があったのではないだろうか。 もっと厳しい采配をした方がよかったのではないだろうか。

毎年ですが、後悔なき後悔です。 指導者としての未熟さで打ちのめさせられる日となります。

深夜帰宅後、OB保護者様からのお心遣いの「こころ」によって、前へ進むエネルギーをいただけました。

試合に勝った負けた以上に、この子達が大人になった時が勝負。 この保護者様のように、これから直接の関わりがなくなったとしても、今思う「こころ」だけは忘れてはならない。ひとりの人間として。今年の3年生達を、まだまだこれから磨いていこう。付き合っていこう。

今年もそう思えた日になりました。

私は、この保護者様のような心を持ち続けられる方を尊敬します。 私もそうありたい、近づきたいと思っています。

知性とは物事を考えたり判断したりする能力ですが、そこには内面の「こころ」の存在が大切であると感じます。

豊かな知性とは、このようなことであるのではないでしょうか。

God dwells in the details「神は細部に宿る」なんて言葉があります。

偉大な建築家の方々がよく使うフレーズだそうです。 建築において細かいディテールを疎かにしては素晴らしい建造物は建てられない。 外からは見えないマンション耐震構造手抜き問題しかりです。

人を建物に例えるのであれば、細部とはまさに今、感じている「こころ」を疎かにしない事のように思います。 手抜きをしない、日々の積み重ねに「神が宿る」ように思います。

どんなにサッカーのテクニックがあっても、学校の成績が優秀であっても、人生において大切な事は、豊かな知性を身につけることであると私は思います。

うちの選手達も豊かな知性を身につけた大人に成長して欲しいです。

高校生のみなさんの一人でも、人としての「こころ」、親が思う「こころ」の本質を感じてもらえたらと思い、手紙の内容の一部を恥ずかしながら、OB保護者様のご承諾を得て掲載させていただきました。

私の大切な一通の手紙です。

田畑雅宏

田畑雅宏(52 歳)

1988 年「小淵沢サッカースポーツ少年団」設立と共に監督となり 2002 年迄監督を務める現北杜市にサッカー部がない中学校も数校あった事から同年に峡北地域初のクラブチーム「FC 八ヶ岳」を設立しジュニアユースの育成に力を入れはじめる。2005 年には北杜市のスポーツ文化向上を目指し NPO特定非営利活動法人「八ヶ岳北杜グランデフットボールクラブ」を設立する。現在はヴァンフォーレ甲府と提携し「ヴァンフォーレ八ヶ岳」と名称変更し山梨県のスポーツ文化発展と U12,U15 の育成活動を行っている。

著者のブログ

2005 年からサッカーだけを書き続けている熱いサッカーブログは親と指導者必見です。

「フットボール症候群」

http://vgoal.net/football/

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