山梨県 トピックス 高校サッカー・Windows(ウィンドウズ)

高校サッカー・Windows(ウィンドウズ)

「IT関連に勤めています」良く耳にする言葉です。
IT(Information technology)とはざっくりと言えば情報技術のことですが
サッカー界においてもITは駆使されています。

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Windows(ウィンドウズ)。
パソコンを動かすシステム。OS(オペレーティングシステム)と言います。
1985年にWindows1.0から毎日のようにアップデートを繰り返し進化し続けWindows95、98を経てXP、vista、7、8と続き今年の夏頃には9を飛ばしてWindows10がリリースされます。

iPhone(アイフォーン)
2007年に発売されたアップル社の多機能携帯端末、マルチタッチ実現により現在のスマホ文化を創り上げた。
iPhoneも2007年OS1.0からアップデートを繰り返し、現在は8.3となっています。 この8年間で71回もアップデートを繰り返しています。

IT(パソコン)の発展とサッカー(指導者)の発展を抽象的ながら繋げてみたら面白かったので書き出してみました。

1993年~1998年。
Windows3.0、95、98。パソコンが飛躍的に進化を遂げた時期 Jリーグ誕生、Jヴィレッジ設立、アトランタオリンピックでブラジル撃破、日本ワールドカップ初出場、フットサル連盟発足もありました。
三浦知良がキングKAZUと呼ばれ、アトランタ、フランスとで圧倒的な存在感を見せつけた中田英寿が日本中を席巻しました。
まさに時代を変えた日本サッカー界のビルゲイツとスティーブジョブスです。

2001年~2006年。
Windows XP。インターネットの普及と供にパソコンが仕事中心から生活の一部に入ってきた時期。
スポーツ振興くじ誕生、そしてなんといっても夢にも思わなかったワールドカップ日本開催(日韓)が現実となった。中田英寿、中村俊輔、小野伸二等日本人選手が海外の名門クラブで活躍し、老若男女問わず日本代表サポーターが増えたのもこの頃からでした。
そして次世代OS Windows Vistaが2006年発売と共に中田英寿もサッカー界から引退しました。
IT(パソコン、インターネット)等の急速な発展で1993年~2006年の間に産業社会の再編成が行われグローバル時代となりました。

サッカー界も同様にグローバルとなり、Jリーグ誕生により日本でプレーする外国人選手、海外でプレーする日本人選手、ワールドカップ出場、天然芝や人工芝グランドが見慣れた日常となるまでに変化を遂げてきました。

さて、ITの歴史の話しから私事に変わります。

若い指導者に、質問したり、教えてと言うと
「とんでもないです。僕の方こそ教えてください。教えるなんておこがましいです」と言われることもあります。

その時、いつもたとえ話しで伝えます。

「パソコンとかスマホ、アップデートするでしょ。それと同じなんだよね」
「俺が学んだ事や知っていることに、今勉強している君の最新な事を上書きさせてもらっているんだよ」
「アップデートさせてもらっている代わりに俺の何かアップデートしていかないと損だよ」

そんな会話をしています。

私がB級を取得したのがワールドカップ日韓共催の2002年。今から12年も昔です。
高校時代活躍した名選手であったとしても今30歳であればやっぱり12年も昔です。
40歳であれば22年も昔です。

私がB級を取得してから何も学んでいなかったとしたら、
今年C級を取得した若者に教わった方が選手達は幸せなのです。

12年前の高価なパソコンやソフトよりも、スマホやフリーソフトのクオリティーが優れているであろうことを想像してください。

A級もB級もC級も人を教える為のJFAが設けた単なるライセンスです。
ポイント確保して更新料払っているだけですとライセンス維持の為だけになっちゃいます。それだけですと中身は古いままです。

日々のアップデートを続けているからこそ講習会やカンファレンスでアップグレードが可能となるのだと思います。

念のためですがライセンスがAだろうとBだろうとCだろうとそこへのこだわりはナンセンスです。

古いライセンスなんてパソコンに置き換えれば今のソフトが動かないのと一緒です。
「今」使えなければ、そのパソコンは単なる箱です。
「今」選手達を教えるには「今」のソフトを使っていくのは当然です。
「今」の環境で快適に動くためには最新版へのアップデートが必要です。

私は若い指導者の方に積極的に会いに行きます。
懇親会等でもなるべく若者達と同じ下座に座ります。
違う世代、違う考えの指導者から学ぶ為のヒントやエネルギーをもらいに行きます。
サッカー界では有名な言葉となりました。

「学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない」

元フランス代表監督ロジェ・ルメール氏が2001年に語られた言葉です。

まさに、常に最新バージョンへアップデートし続けなさいと言っているように聞こえます。

昨日まで正しいと言われていた事が、今日は間違えであったと簡単にひっくり返ってしまう。それが世の常です。
明日はまた違う常識が誕生しています。

人はその時の体験、環境という過去から学んできています。

教える事とは「今」を常に学び続ける事を選手に教えることだと私は思います。

「今、学ぶことをやめたら、選手をやめなければならない」

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田畑雅宏

田畑雅宏(52 歳)

1988 年「小淵沢サッカースポーツ少年団」設立と共に監督となり 2002 年迄監督を務める現北杜市にサッカー部がない中学校も数校あった事から同年に峡北地域初のクラブチーム「FC 八ヶ岳」を設立しジュニアユースの育成に力を入れはじめる。2005 年には北杜市のスポーツ文化向上を目指し NPO特定非営利活動法人「八ヶ岳北杜グランデフットボールクラブ」を設立する。現在はヴァンフォーレ甲府と提携し「ヴァンフォーレ八ヶ岳」と名称変更し山梨県のスポーツ文化発展と U12,U15 の育成活動を行っている。

著者のブログ

2005 年からサッカーだけを書き続けている熱いサッカーブログは親と指導者必見です。

「フットボール症候群」

http://vgoal.net/football/

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