山梨県 トピックス 高校サッカー・真剣

高校サッカー・真剣

坐禅をすると真剣の差がよくわかります。
一生懸命座っている人、一生懸命になれない人、フラフラしている人。

後ろからみるとよくわかります。
背中を見ればよくわかります。
背中はその人のこころが見えてきます。
背中がその人の誠実さや不満を語っているのがわかります。

あなたの背中が、あなたの本心を私に語っています。
背中を見れば、泣いているのか、笑っているのか、悔しいのか、楽しいのかがわかります。
「僕は一生懸命やっています」。
そう口で言っていても背中を見れば、今、真剣であるのかどうか直ぐに分かります。

「自分では一生懸命やっている」。
「だからそれでよいのだ」。
それで終わってしまう人ではいけません。

「そうか、自分はできていないのだな。指摘してくださってありがとうございます」。
そういったこころを持てる人は成長していきます。

人から指摘されて受け入れる人間にならなくてはいけません。

少なくともあなたは今、こうして坐禅に来ています。
そこには、自分を変えたい、もっとよくなりたいという心があるから来ているのです。

「俺はそんな気はない」と思った人はいるかな?
それでもここに座って私の話を聞いている事があなたの心の本心なのです。
だから、あなたは変われます。
あなたが、このサッカーチームにいることも同じなのではないでしょうか。
あなたは変われるのです。

静かな中、身体の自己コントロールができるかどうかが真剣の差になります。
眠い、痛い、痒い、痺れる、虫が飛んできた。
そんな事に動じない真剣さが後ろから見ると、姿勢を見ると、全てが見えます。
そこを越えた精神が出てこないと真剣さは出てこないのです。
座っているだけの事。
それができない。
決して難しい事ではない。
だけどできない。
自己コントロールができない。
スキがある。

自分への甘さ、このくらいでいいかな、それを振り切る強さ、その場、そのときに真剣にやれるかどうか、越えて行く努力をして行く。

そして褒められたときこそ、喜んでいる場合ではない。
ここが大切。
ひとつひとつの自分の限界を超えていく日々を過ごしていくことが真剣の本質なのです。
真剣の意味を理解していかなければ成長はありえないのです。

初心についても少しお話ししましょう。

初心に戻るとは常に現在なのです。
過去の自分に戻るのではありません。
常に今が帰る場所であり、過去に戻るわけではありません。
ここまで積み上げて来た修行の蓄積だけが残ります。
それ以前の自分に戻るわけではないのです。

今の自分を素直なこころで、今、あなたがやれる事を始めるということなのです。
過去に戻るのではありません。
出発点は常に今なのです。
過去の努力の蓄積が常に新しい出発点に宿るのです。
だからこそ、今を真剣に生きる。
あなたが、今できる事に全力で取り組む事が、初心に戻れる唯一の方法です。

初心の「初」という字は「衣を切る」と表します。
「刀」という時がついています。
「衣」を「切る」ことで古い衣から新しい衣を作るのです。

「切」という字も「刀」という時がついています。
「七」は間接という意味があります。
そして、七草、七夕、七五三、七福神、北斗七星、お七夜、七曜等。
「七」は縁起のよい数字として使われていますよね。

「大切」、「親切」、「切にお願いする」等の縁を結ぶ言葉に「切」が使われています。

切るとは繋げるという意味が隠されているのです。
切ることで縁をつなげるのです。
みなさん。
初心とは常に今のあなた自身であることをしっかりと心に持ち、今あなたができる事を誠実に行いましょう。

高福寺住職23世水原康道老師より説法を先日、坐禅の後に頂戴しました。

毎年、水原康道老師から説法を御教示頂いております。
私自身が常に新たな発見とともに心が素直に洗われていく自分を感じる瞬間でもあります。

言葉の言い回し等、記憶を頼りに書きましたので微妙な言い回しや表現は違っているかと思います。
また、解釈、受け取りが違っているかもしれません。
あくまで私の心で理解した解釈であることをご了解ください。

高校生の皆さん。
坐禅の背中と同様に、先生や監督さんは、あなたの取り組む背中を見れば、あなたが真剣かどうか分かっていると思います。
どんなに立派な言葉を並べても、どんなに立派な作文を書いても、あなたの背中があなたの本心を無言で語ってしまっています。
オーラ-がある人は、この背中からオーラが放たれるのだと思います。

老師が「座っているだけの事。それができない」と言っておられます。
サッカーでも人生でも同じですね。

「挨拶するだけの事。それができない」
「ゴミを拾うだけの事。それができない」
「時間に来るだけの事。それができない」
「ノートに書くだけの事。それができない」

当たり前の事、今簡単にやれることをやらないで、難しい事をやろうとするから、何もできず、全てが中途半端になってしまうのだと思います。

それこそが、老師の言っておられる自己コントロールができない。
スキがある。
自分への甘さ、真剣さが足りないことなのではないでしょうか。

失敗して怒られる事や、不条理なこともあると思います。
自分の楽しいこと以外にも逃げない精神がなければ、真剣さは出てこないのです。

私は真剣に生きている人に魅力を感じます。
私もそうありたいと日々精進しています。

真剣にやると知恵が出ます。
中途半端にやると愚痴が出ます。
いい加減にやると言い訳が出ます。
やる気がないとため息が出ます。

あなたには、親や先生の助言を常に感謝のこころで受け入れられる人であってほしい。
そして、
真剣に自分のやりたいことに打ち込める毎日を過ごしてほしいと願っています。

田畑雅宏

田畑雅宏(52 歳)

1988 年「小淵沢サッカースポーツ少年団」設立と共に監督となり 2002 年迄監督を務める現北杜市にサッカー部がない中学校も数校あった事から同年に峡北地域初のクラブチーム「FC 八ヶ岳」を設立しジュニアユースの育成に力を入れはじめる。2005 年には北杜市のスポーツ文化向上を目指し NPO特定非営利活動法人「八ヶ岳北杜グランデフットボールクラブ」を設立する。現在はヴァンフォーレ甲府と提携し「ヴァンフォーレ八ヶ岳」と名称変更し山梨県のスポーツ文化発展と U12,U15 の育成活動を行っている。

著者のブログ

2005 年からサッカーだけを書き続けている熱いサッカーブログは親と指導者必見です。

「フットボール症候群」

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