高校サッカー・勝者と敗者
高校選手権や進路の気になる季節になってきました。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉が思い浮かびます。
江戸時代藩主松浦静山の言葉だそうです。
特に負けたゲームではいつも「不思議の負けなし」を考えます。
また、勝っても負けてもこんな事も選手に話します。
今日勝ったチームがその次も勝つとは限らない、今日負けたチームが次の大会で今日を糧にして勝つかもしれない。
相手が強ければ負ける。相手が弱ければ勝つ。ただそれだけのこと。
勝ち続けたければ、強い相手とやらなければよいだけ。
自分が優れているわけではない。
勝つ事で自分の成長を止めてしまう場合もある。
自分の意識を高めているか。
成長していくこと、実力をつけていくこと。
勝っても負けても成長できるチャレンジを続けているかどうか。
だからこそ、勝ち負けだけで一喜一憂していても成長はない。
もっと大切な事がある。
もちろん、負けたら悔しがる気持ちがなければピッチに立つ資格はない。
でもそんなことはアスリートとして心の中に備わっているもの。
そして、勝者と敗者は紙一重だ。
勝っても負けてもその差を常に感じられるマインドを持ち続けているかどうかだ。
冷静に勝因を分析する。
更に良いパフォーマンスが出せるように努力していく。
冷静に敗因を理解する。
その差を埋めていく努力をしていく。
ほんの少しの差が大きな差となっていく。
紙一重を重ねて行く事で100枚の紙になれば本の厚さになる。
そうなれば簡単には引きちぎれない。
君のバイブルとなる。歴史となる。
「得点に不思議の得点あり、失点に不思議の失点なし」とも言える。
センタリングが直接ゴールに吸い込まれる事があります。
相手が寄せてきたので焦って蹴ったら入っちゃったゴールもあります。
守備は練習を積めば積むほど成果が現れやすいです。
勝ち進むチームほど、守備は安定しています。
ナショナルチーム、高校サッカー、少年サッカー、勝ち進んでいくチームのGKやDFには必ず優秀な選手が存在しています。
スキーでは、まずは滑り方より、止まり方、転び方を学びます。
柔道でも、まずは、受け身を学びます。
スキーでも柔道でも怪我をしない体勢を作る事によって心が安定してきます。
飛行機だって離陸よりも着陸できないと困りますよね。
そうすれば、あとは心おきなく、チャレンジできます。
チャレンジするには心の準備が不可欠です。
心が整わないチャレンジはギャンブルと言います。
サッカーで考えると、相手の攻撃に耐えられると心が安定してきます。
あとはチャレンジをして「不思議な得点」が生まれれば勝てるということです。
決して、攻めないで守っていればよいという意味ではありません。
1対1に強いということはドリブルができるだけではなく、守備が強い事も含めてだよと選手には伝えます。
敵に負けない体勢とは、体制でもあります。
チームワークや、コーチ、保護者を含めた心のあり方も含まれるのかもしれません。
あとは「不思議な価値」が生まれるのを待つだけです。
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勝者は「私のせいだという」と言う。敗因の核心を冷静に分析する。
敗者は「審判が」と言う。「オフサイドだった」と言う。「あそこで決めていれば」と言う。
勝者は勝っても「運が良かった」と言う。例え運ではなかったとしても。
敗者は負けたら「運がなかった」と言う。でも、運が原因ではない。
勝者は敗者よりも努力している。しかも時間は敗者よりはるかに多い。
敗者はいつも忙しい。怪我をする、風邪を引く、スマホをいじる、不満を言うのに忙しい。
勝者は逃げない。言い訳をしない。
敗者は逃げる。言い訳をする。
勝者は行動によって誠意を示す。同じ間違いを繰り返さない。
敗者は直ぐに謝るが同じ間違いを繰り返し続ける。
勝者は戦うべきところと妥協すべきところを心得ている。
敗者は妥協すべきでないところで妥協し、どうでも良いところ所で戦う。
勝者は「自分はまだまだです」と言う。
敗者は「俺が点を決めた、俺はAチームだ」と言う。
勝者は自分より勝るものに敬意を払い学び取ろうとする。
敗者は自分より勝るものを不快に思い、同等であると勝手に思いこんでいる。
勝者はチームに誇りを持っている。
敗者はチームに不満を持っている。
勝者はもっと良い方法はないか常に探し続ける。
敗者は現状を変えず偶然を待ち続ける。
勝者は危機感を持って準備し、楽観的に対処する。
敗者は楽観的に準備し、悲観的に対処する。
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※勝者と敗者より加筆引用。
高校生の皆さん。
勝者と敗者は目先の勝ち負けではありません。
極論ですが、 99回勝ち続けて1敗した人と、 99回負け続けて1勝した人と、どちらが勝者でどちらが敗者なのでしょうか。
私は99勝1敗と1勝99敗には同等の価値があると思います。
もしかしたら、99勝以上に価値ある1勝かもしれません。
それ自体、あなた自身が決めることなのです。
そんな1勝を目指して、 人生の笑者になってください。
「人生に不思議の人生あり、日常に不思議の日常なし」
