高校サッカー・息子へ
今回は恐縮ですがプライベートの事を書かさせていただきました。
先日26歳の長男が結婚式を挙げました。ついこの間まで小、中、高とサッカーに打ち込んでいた息子がいつのまにか嫁さんをもらう歳になったんだなと新郎の父として感慨深く参列しました。
披露宴、二次会、三次会と続きましたが、二次会だけでもこんなにも多くの方々から祝福されている息子を見ていて嬉しく思いました。

あらためて、親とは、立派な大人になって欲しい、幸せになって欲しいと願うことなんだと思いました。
「立派な大人」、「幸せ」、って何?と突っ込まれそうですね。
私は「立派な大人」とは自分で社会生活ができるということだと思います。 社会で働いて社会からの信頼の対価としてお金をいただいて生活ができている。 社会に迷惑をかけない生活ができている。賃貸ですが自分の家を持ち、そして嫁さんをもらえたんだから立派です。
正確には立派な大人の入り口に立てたと思っております。
私は「幸せ」とは自分の事のように喜びを感じてくれる人がいつもいてくれている事だと思います。信頼できる仲間や家族がいることだと思います。
大金持ちになった事がないので大金持ちの方の生活や価値観はわかりませんが、 大金持ちでも貧乏でも「立派な大人」「幸せ」はどちらでも得られると私は思います。
お金で幸せは買えないと思います。
たとえ東大卒であったとしても「立派な大人」と「幸せ」を手に入れていないのなら、 勉強が苦手でも「立派な大人」と「幸せ」を手に入れている生き方を私は望みます。
サッカー指導者の私ですが、 プロサッカー選手であったとしても「立派な大人」と「幸せ」を手に入れていないのなら、 プロサッカー選手になれなかったとしても「立派な大人」と「幸せ」を手に入れている教え子の方が嬉しいです。
私はジュニアユースの監督を長年やっております。
今も昔も八ヶ岳という人口の少ない場所柄、遠方から来る選手を合わせてどうにかひと学年15名程度の弱小・八ヶ岳の田舎チームです。
それでも私のクラブ目標は日本代表のキャプテンをこの八ヶ岳のド田舎から輩出すことであります。

笑われるかもしれませんが(すでに笑っている方もいるかと思いますが)本気です。
選手達には常々言っています。
サッカーだけ上手ければ、もしかしたらプロになれるかもしれない、 しかし、プロフェッショナルにはなれない。 日本代表のキャプテンも上手いだけではなれない。 プライドを持ってプレーし監督や仲間から信頼されるには人間性が不可欠だからだ。
フェアープレー賞も同様だ。
優勝は自分達の力で勝ち取れるけどフェアープレー賞は大会関係者の皆様から認めていただかなければいただけない。
だからこそ選手達には優勝と同等にフェアープレー賞は価値があると伝えている。
プロになって「立派な大人」と「幸せ」を手に入れられたら長谷部選手のように日本代表のキャプテンも近づくぞとも伝えている。
そして、日本代表のキャプテンになったら会見で言ってくれ、
「私は八ヶ岳の田舎チームで育ちました」
「私のサッカーの原点です」と。
この言葉で日本中の田舎チームの指導者の皆さんと子ども達にお前は夢と希望を与えることができる。
多くの方々にエネルギーを与えられるプロフェッショナルな魅力ある人間になって欲しい。

魅力ある人間になるには器を大きくしていかなければいけない。
器を大きくするにはどうすればよいか考えよう。
今、君は何をやらなければならないか、
何を変えていかなければならないか考えてみよう。
本を読もう、サッカーノートを毎日書こう、挨拶をしっかりしよう。
まずは出来そうなことから出来るようにしていこう。
サッカーとは関係の無い友人を作ろう。
サッカーとは関係の無い先生から信頼されることも大切だとも伝えている。
サッカーが上手いだけでは、
魅力あるプレーヤーにはなれない。
キャプテンにはなれない。
仲間の為に汗を流せる選手、勝利に貢献できる選手。
その為には決断力や洞察力も必要になってくる。
それらは日常生活、習慣から磨いていくものだ。
想像力を働かせ、感性を磨くということだ。
指導者の言われた事だけしか、しない、できない、選手は決断力や洞察力を磨くことができない。
君が日本代表監督ハリルホジッチさんに教わったとしても、 言われた事だけこなしているようではやはり想像力豊かな一流選手にはならないだろう。
プロサッカー選手、高校選手権出場、スタメン入り、様々な目標を目指しているその先に、君の人生の道が始まる。

成功のためではなく、価値のある人間になるために努力せよ。
STRIVE NOT TO BE A SUCCESS, BUT RATHER TO BE OF VALUE.
(ALBERT EINSTEIN)
私のたくさんの息子達へ・・・願う。
