高校サッカー・選手権
全国高校サッカー選手権大会が終了して2週間が経ちました。
ここから高校サッカーは一年が始まります。
各地で新人戦がスタートしたことでしょう。
僭越ではありますが全国高校サッカー選手権大会で私が感じた事です。
私が子どもの頃、1970年代、高校サッカーは子ども達の憧れであり頂点でした。
あまりにも眩しすぎる舞台、それが高校サッカーでした。
「この国立でサッカーをやりたい」サッカー少年はみんなそう思ったと思います。
浦和南高校と帝京高校を筆頭に名将が率いる
藤枝東高校、清水東高校、韮崎高校、古河一高校、習志野高校等の伝統校がいくつもありました。
帝京DF金子久さんの四日市中央決勝でのヘディングシュート。
アニメマンガのようにボールが潰れたシーンを今でも思い出します。
静岡学園高校と浦和南高校との決勝戦は衝撃を受けました。

このイメージが強烈で静岡のサッカーはどこのチームも個人技が凄いと大人になるまで信じることになってしまいました。
1980年代の市立船橋高校、国見高校、清水商業高校、鹿児島実業高校・・・。
その後は東福岡高校、流通経済大学付属柏高校、青森山田高校・・・。
そして星稜高校、前橋育英高校。
名前を挙げたら切りが無いぐらい素晴らしい高校が現れ続けてきました。
今年も40年前と変わらず全国高校サッカー選手権大会は色褪せることなくスタジアムに多くの観客が押し寄せていました。

当時はテレビでサッカーを連日観られたのはお正月だけでした。
ゆえに、海外リーグやJFLリーグの選手達よりも高校選手権出場選手や優勝監督は有名人でした。
余談ですが当時、キリンカップにて日本代表と読売クラブが対戦して1-0で読売クラブが勝ってしまう。
日本代表を辞退し続けていた戸塚選手が決勝点というオマケ付きです。

そんな時代でした。
今ではA代表辞退は正当な理由なくしてできないし、トレーニングマッチでもないのに日本代表とJリーグ対戦カードは組まないでしょう。
今、高校サッカーは憧れでもなく、頂点でもありません。(関係者の皆様失礼をお許しください)
Jリーグ、海外リーグで活躍する選手、日本代表ワールドカップ出場が当たり前の時代です。
高校サッカーの選手がプロを目指していないとは言いませんが、プリンスやプレミア昇格、全国高校サッカー選手権大会で優勝することを目標にしている高校は多いでしょう。
U18ユースでトップ昇格・プロを目指している選手が沢山います。
今回得点王が歴代最少の3得点でした。7人が得点王です。
PKも増えています。
高校サッカーに超高校級逸材が減ったことを物語っていると決めつけるのは短絡かもしれません。それでも個の決定力で勝ちきれないのが現実の高校サッカーです。
何度失敗しても縦に早いボールを入れていく。
自陣ではワンタッチ、中盤ではツータッチ、相手エリアに蹴り込んでセカンドボールを制す。
プロ選手を輩出することを目標にしていると思っていた高校でさえもプレースタイルの変化を感じました。
それでもネガティブ感はありません。
色々と感じた選手権大会ではありましたが、やはり高校サッカーは素晴らしいです。
高校サッカーは人々を惹きつける魂があります。
両チームにホーム・アンド・アウェーがない。
引き分けがない。負けたら、チームは解散。サッカーを辞める選手もいる。
信念を持った監督さん・関係者の方々・・・。
ボールを追いかける選手達、スタンドで声援を送る選手達、保護者さん。
それぞれのドラマが見え隠れします。

全力で今をやりきっている姿があるかぎり、高校サッカーはこれからも人々を魅了続けて行くのだと感じました。
高校生のみなさん。
サッカーは人生の縮図です。
一人でボールは蹴れる。
されど
サッカーは一人ではできない。
ゲームができる環境がある。
仲間がいる。
相手がいる。
指導者がいる。
親がいる。兄弟がいる。
多くの方々に助けられている。

君がやること。
それは、目の前の事に真摯に向き合う事です。
人生の選手権のキックオフはこれからです。

高校サッカー。 来年も楽しみです。
