高校サッカー


山梨県高校サッカーを見続け、気がつけば 27 年の月日が経ちました。
日本を代表する名選手の中田英寿さん、ミスターヴァンフォーレの石原克哉さん、高校・中学校で監督をなされている方々、指導者仲間の方々、そして近年は教え子達。彼らの高校時代の勇姿を毎年楽しまさせていただいてきました。沢山の名シーンが次から次へと昨日の事のように蘇ってきます。
高校サッカーは本当に見ていて楽しいです。18 歳となり、就職する人、専門学校や大学生になる人、様々かと思います。高校卒業してもサッカーに全力で打ち込み続ける環境を手に入れられる青年は本当にごく一握りです。現代社会において 16 歳、17 歳、18 歳は精神的にも肉体的にも社会へ適応していく仕上げの時期だと思います。日本では 20 歳が成人ですが、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、中国等多くの主要国は 18 歳を成人としています。
グローバルの時代においてやはり日本でも 18 歳は社会への適応年齢でしょう。日本代表になりたい、バルセロナでプレーしたいと言っていた沢山の少年達も、高校生になると教師になりたいから大学へ進学したいとか、調理師になりたいから専門学校へ行きたいとか、やりたいことが様々になってきていると思います。もっとも U17 代表候補になっていたり、J リーグから声がかかっていたり、確実に少年時代の目標が現実に近づいている青年もいることでしょう。
現在の自分を完全ではありませんが客観的に見ることができるようになってきます。社会に適応する準備が自然と備わってくるのが高校生年代と言えるでしょう。言い方を変えれば、幼少期に「ウルトラマンになる」とか、不可能な事も含めて無数の選択肢から、より可能性のある現実的な選択肢を描く事ができてくるのが高校生年代だと思います。(もっともこの頃は幼少期のままの大人も増えているらしいです。)


それだけに強豪チーム、弱小チームに関係なく、高校サッカーに打ち込み汗を流すことは、高校生の青年が小学生中学生の時とは違う、自分の決意を持って挑んでいるからだと思います。そんな高校生の青年達からエネルギーを沢山もらっています。私は小学生・中学生の子ども達の監督として 27 年目となります。いつも思う事は、この子達全員が高校(ユース)サッカーで輝いて欲しいと願っています。
輝くとは、なにも優勝することを言っているのではありません。レギュラーで活躍した人だけが輝くわけでもありません。裏方として輝いている人も沢山います。輝くとは、自らが眩しいぐらいの光を放つことです。活き活きと高校サッカーを楽しんでいる姿こそが輝いていると言えるのです。
第 93 回全国高等学校サッカー選手権大会山梨県大会においても既に敗退し、涙した高校生達も沢山いることでしょう。
サッカー小僧であった高校生諸君においては人生の全てがサッカーと共に歩んできたことでしょう。
お父さんお母さんは、雨の日も風の日も何百回とお子さんがボールを追いかける姿をサッカーコート横から一喜一憂、声援を送り続けてきました。毎朝早起きしてお弁当を作り続けてきました。誕生日やクリスマスプレゼントでは高価なスパイクも奮発して買ってあげたこともあったことでしょう。ブツブツ言いながらも喜んで泥だらけの息子のユニフォームを洗い続けてきました。お父さんお母さんは、そんな楽しみも、もうできなくなります。親もまた、子離れの時。18 歳、高校サッカーと決別の時。ここからが本当に、自分の足でボールを蹴っていく次なる人生のスタートです。
第 93 回全国高等学校サッカー選手権大会山梨県大会もベスト 4 が出揃いました。様々な想いを胸に、選手達は挑んで欲しいと願います。高校サッカーで輝け!
